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がん患者さんに「緩和ケア」がなぜ大事なのでしょうか?

市立貝塚病院
緩和ケア認定看護師/がん専門看護師
白石 裕実

インタビュアー: 今日は市立貝塚病院の緩和ケア認定看護師であり、がん専門看護師の白石裕実さんにお話を伺います。
白石さん、よろしくお願いします。

白石裕実: よろしくお願いします。

インタビュアー: まず、「緩和ケア」について教えていただけますか?

白石裕実: はい。
「緩和ケア」とは、がんと診断された時からがん治療と並行して受けるケアのことです。現在、2人に1人ががんと診断されていますが、がんになると身体の痛みや治療のことだけでなく、仕事や家族のこと、将来への不安など様々な問題に直面します。こうした不安や心配事を少しでも解決することで、患者さんが安心して治療を受け、これまでと同じように暮らすことができるようになります。これが「緩和ケア」の基本的な考え方です。

インタビュアー: 体的にどのようなサポートが受けられるのでしょうか?

白石裕実: いくつかあります。
例えば、がんと診断されたことによる仕事や経済的な問題などの困りごとについて、専門のスタッフが一緒に考え、安心してこれからのことに対処できるようサポートします。また、患者さんの不安や心配事をお聞きし、それらが少しでも解決できるように緩和ケアのスタッフがお手伝いします。さらに、治療中に経験するつらい症状、例えば吐き気や食欲低下、倦怠感、痛みなどを和らげ、がん治療に自分らしく取り組む気持ちを支えます。

インタビュアー:「緩和ケア=終末期医療」と誤解している方もいらっしゃると思いますが、実際はどうなのでしょうか?

白石裕実: その通りです。
緩和ケアが必要となるのは終末期だけではありません。がんと診断された時や、精神的な落ち込みから緩和ケアを必要とする場合もあります。さらに、治療を進める過程での副作用への対応や、がんによる痛みなどの症状を改善するためにも緩和ケアが行われます。緩和ケアは終末期医療ではなく、手術や抗がん剤治療、放射線治療と一緒に行われる標準治療の一つとして位置付けられ、がんと診断された時から受けるものへと変わってきています。

インタビュアー: 市立貝塚病院では、がんと向き合う患者さんをどのようにサポートしていますか?

白石裕実: 私たち医療スタッフは、がんと向き合う患者さんとそのご家族を全力で支えたいと考えています。まずは困っていることを、担当医や看護師、薬剤師などお近くの医療者にご相談ください。

インタビュアー: 白石さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。

白石裕実: こちらこそ、ありがとうございました。

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