市立貝塚病院
聞き手 地域医療連携室
回答 がん放射線療法看護認定看護師 納谷 理恵子
納谷さん:はい。緩和的放射線治療は、進行したがんや、転移したがんにより、引きおこされた症状である痛みや出血などを和らげるために行う治療です。特にがんによる痛みは骨の転移がよく見られ、背骨に転移すると脊髄が圧迫され痛みや麻痺を引き起こします。鎮痛剤を使用する治療に加えて放射線治療を行うことで、その症状の軽減に有効と言われています。
納谷さん: 骨の転移に対する緩和的な放射線治療では、約60~90%の症例で痛みの緩和が期待されます。鎮痛薬の増量なしに痛みが完全になくなるケースも20~40%ほど報告されています。除痛効果は数日で現れることもありますが、約4~8週で効果が最大になると考えられています。
納谷さん: 照射部位によってかわりますが、緩和的な放射線治療の1回あたりの時間は約20分ほどが目安です。患者さんの状態に合わせて1回から数回にわたって平日毎日行います。
納谷さん: 例えば、ひどくなる首や背部、腰の痛み、胸や腹部に帯状に広がる痛みなどの症状があるときには、全てが背骨の転移によるものとは限りませんが、病院に受診し主治医にご相談ください。
納谷さん: 何か不明点がございましたら、お気軽にご相談ください。また、放射線科や看護専門外来のページもご覧いただければと思います。