認知症はほとんどの場合、もの忘れから始まります。一般的に「認知症」と聞くと、歩き回る行動や妄想などを思い浮かべることがありますが、実際にはこのような症状が現れるのは進行してからのことが多いのです。最初のサインとして、人や物の名前が出てこない、置き忘れやしまい忘れが増える、同じ話を何度もする、などのもの忘れが多く見られます。そのほかにも、やる気や興味がなくなるように見える、外出を嫌がるようになる、うつろな表情になる、といった変化が現れます。
また、認知症の初期段階では、買い物に行っても金額を計算できず、お札で支払うことが多くなり、財布の中に小銭がたまります。冷蔵庫の中身を覚えていないために同じ食品を何度も買ってしまったり、賞味期限が切れた食品をため込んだり、整理整頓ができなくなったりします。通帳を紛失するなど、物をなくしやすくなり、常に何かを探しているような様子が見られるようになります。
このような小さな変化に気づくことが大切で、家族や介護者が認知症患者の日常生活を注意深く観察することが重要です。直井看護師は、「小さな変化」を見逃さないように心掛けるよう助言しています。そのような変化に気づいた場合、早期の対応が有益です。そのため、家族は情報収集を行い、認知症について理解を深めることが重要です。
認知症の初期段階において、サポートが必要であるかどうかは個別の状況に依存します。市役所の高齢介護課や地域包括支援センターなどへ相談することもおすすめです。市立貝塚病院でも、総合看護相談や高齢者看護外来などを提供しており、患者と家族の支援に貢献しています。
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