白内障は、目のレンズの役割を果たしている水晶体が濁ることで起こります。
水晶体は本来無色透明で、ピントを合わせて網膜に光りを届ける役割があります。この水晶体の濁りのために、光がうまく透過できなかったり乱反射することで、網膜にピントの合った画像を結べなくなります。
白内障の根本治療は手術しかありません。
かなり進行するまで手術を待つことはできますが、外からも白く見える程進行した状態で放置すると、様々な合併症や問題が発生します。
手術の技術も進み、痛みも少なく短時間で完了するようになりましたので、進行する前にご検討ください。
白内障は水晶体の濁りによる視覚障害が現われますが、痛み・異物感・充血などの症状はありません。
水晶体の濁りは、水晶体の成分であるタンパク質の変質が原因です。
タンパク質の分子が大きくなって水に溶けきれずに白濁したり、光によって分解されて黄褐色に濁ります。
水晶体が外からも白く見えるほど進んだ状態(成熟白内障)で放置すると、様々な合併症や手術をする上での不具合が発生します。
「見えにくいだけだから大丈夫」と白内障を放置せず、トラブルを防ぎ適切な時期に手術ができるよう、定期的に受診しましょう。
成熟白内障がさらに進行すると、過熟白内障と呼ばれるほとんど視力がなくなる状態になります。ここまで進行すると、水晶体皮質(タンパク質)が液状になり溶け出して、強い炎症と痛みを起こす場合があります。
白内障が進行すると水晶体はだんだん膨らんできます。そのため、眼圧が一気に上昇して、急性緑内障発作を起こす場合があります。
頭痛・眼痛・吐き気などの症状があり、手術が必要になります。
また、視野が欠けてしまい元には戻りません。
早期で視力にあまり影響がない段階では、経過観察のみで可能です。根本治療には、適切な時期を見極めて手術を行います。
以前は手術の安全性が不十分だったため、水晶体が白濁して視力に大きな問題が出てから手術を行っていましたが、最近では手術の技術も進み、生活に支障を感じる程度の早い時期に行うようになっています。
白内障の進行状況やその他の持病や合併症、生活状況などによっても手術の時期は異なりますので、担当医とご相談ください。
麻酔も以前は目のまわりに注射をしていましたが、今は特殊な場合を除き点眼麻酔後に局所麻酔を行います。術後も大きな痛みはありせん。
白内障手術は濁った水晶体を取り除き、人工の水晶体(眼内レンズ)を移植する手術です。
白内障の手術は「日帰り手術センター」で行いますが、日帰りにするか入院にするかは、患者さまの状況とご希望により決定いたします。
手術後は眼帯で視野が狭くなっているため、日帰りするには幾つかの条件があり、当院では、ほぼ半数の方が日帰りを選択されています。
眼科専用に設計され、あらゆる眼科手術に利用される最新型の手術顕微鏡です。
解像度が高く、組織の細部に渡って観察することできるため、高い安全性へと繋がります。