平成30年度 市立貝塚病院 病院指標

内科疾患全般を取り扱っていますが、高齢者による心不全加療の患者さんが多くなっています。また、2型糖尿病に対しての血糖コントロール、教育入院が2番目に多くなっています。

小児科では、15歳未満の患者さんを診療しています。小児の食物アレルギー疾患の患者さんには、「必要最小限の除去」、「食べられる可能性を探る」ための食物経口負荷試験を積極的に行っています。また、小児に多い急性気管支炎、喘息、ウイルス性腸炎等、急性期疾患の入院を多く受け入れています。

鼠径ヘルニア、胆嚢疾患、結腸がんにおいて、腹腔鏡下手術が多くなっています。からだに優しい手術を目指して、平成30年10月より「低侵襲外科手術センター」がスタートしています。当センターでは、より安全で安心な内視鏡外科手術の実施のために取り組んでいます。

整形外科は、外科分野の一つですが、手術だけでなく内科的な治療やリハビリテーションによる機能訓練など治療内容が幅広くなっています。高齢者に多い大腿骨頚部骨折に対して人工骨頭挿入術や、変形性膝関節症に対する人工関節置換術等の手術を多く行っています。大腿骨頚部骨折は、術後のリハビリテーションが重要なため、リハビリテーションを担う医療機関への転院が多く、転院率は約55.8％と高くなっています。

泌尿器科では、大阪府がん診療拠点病院として前立腺がん、腎がん、膀胱がんの手術を多数行っておりますが、最も多い症例は、膀胱がんに対する低侵襲で負担の少ない経尿道的手術です。また、前立腺がんに対する検査入院も多くなっています。尿路結石に対して体外衝撃波腎・尿管結石破砕術や、尿管狭窄を伴う水腎症においても、経尿道的尿管ステント留置術等を多く実施しています。

泉州広域母子医療センターの婦人科医療センターとして、婦人科領域の良性、悪性腫瘍を中心に婦人科疾患全般の診断と治療を行っています。子宮筋腫や卵巣腫瘍などの良性腫瘍疾患では、傷口が小さく、患者さんの負担が少ない腹腔鏡下手術を実施しています。子宮の良性疾患では、他施設では少ない腹腔鏡下膣式子宮全摘術を積極的に実施しています。

眼科で最も多いのは、白内障手術目的入院となっています。白内障以外にも高齢者に多い加齢黄斑変性症、、緑内障、糖尿病性網膜症などの手術実施患者も増加傾向にあります。

神経内科は「脳・脊髄・視神経・末梢神経・筋肉」の疾患や、それが原因で起こる全身の症状を診断・治療する診療科です。平成30年度は、難病指定されている筋萎縮性側索硬化症の疾患に対して点滴治療入院があります。

形成外科で最も多いのは、眼瞼下垂に対する手術となっています。そして次に乳房再建の手術が多くなっています。乳房再建では、再建方法やタイミングなどの選択肢があり、当院では全ての再建手術が可能な施設認定を取得しています。

消化管疾患については、大腸ポリープに対して内視鏡的治療や、炎症性疾患に対しての検査入院、また、閉塞性黄疸に対するドレナージ治療も積極的に行っています。専門医療センターとしては、消化器・肝臓センターを開設しております。当院は「大阪府肝炎専門医療機関」に指定され、肝臓の専門的治療を受けられる病院となっています。生検等による診断、肝細胞がんに対しては、病態に合わせた検査や、ラジオ波治療、腹部血管内治療を積極的に行っています。

当院では、乳がん高度検診・治療センターを開設しており、大阪府南部の乳がん治療拠点病院として多くの手術件数を取り扱っています。乳がん治療は、患者さんの背景を考慮した手術・化学療法・放射線治療の組み合わせの個別化、「オーダーメイド治療」が進んでいます。そのため、高い専門性を持つスタッフと連携し、適正な治療方針を決定しています。

虚血性心疾患に対して、冠動脈の狭窄や閉塞部分にバルーン（風船）やステント（網目状の金属製の筒）を用いて病変部分を拡張する治療を行っています。

腹腔鏡下による胆嚢摘出術や、鼠径ヘルニア手術を多く行っています。また、結腸がんなど悪性腫瘍に対しても腹腔鏡下手術を行っています。高齢などで開腹手術が難しい患者さんでも、腹腔鏡下手術なら、体への負担が少なく低侵襲な治療が可能となる場合があります。

膝関節症などに対する人工関節置換術が最も多くなっており、次に大腿骨頚部骨折手術が多いことが分かります。平均年齢から見て70歳以上の患者さんが多くなっています。手術後は、リハビリテーション科と協力しながら、早期の復帰に向けて患者さんお一人おひとりに合わせたリハビリテーションを実施しています。また、長期のリハビリテーションが必要な場合には、術後リハビリテーションを担う医療機関等へ転院していただいております。

膀胱がんに対する低侵襲で負担の少ない経尿道的手術が最も多くなっています。また、大阪府がん診療拠点病院としては、前立腺がん、腎がんの手術も精力的に実施しています。泌尿器科は、取り扱う臓器が多いため、一部の疾病のみを対象とした施設もある中、当院では、泌尿器がん診療から、女性泌尿器疾患、小児泌尿器疾患まで、泌尿器全領域の診療を行い、他院からも積極的に患者さんの受け入れを行っています。

子宮筋腫や卵巣腫瘍などの良性疾患に対して、腹腔鏡下手術が多くなっています。腹腔鏡下手術のメリットとしては、痛みが少ないため身体への負担も減り、早い回復につながります。また、癒着が少ないため、癒着が原因でなる不妊症の可能性を抑えることができます。そして、良性疾患では広く実施されている腹腔鏡下手術ですが、子宮体がん、子宮頸がんにおいても当院では腹腔鏡による子宮体がん・子宮頸がんの根治手術を保険適用で行うことのできる施設認定を取得しています。

高齢者に多い白内障に対する水晶体再建術がほとんどを占めています。白内障手術は、仕事やご家庭などで忙しく長時間の入院が難しい方でも、拘束時間を大幅に短縮することができる日帰り手術も実施しています。また、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症等に対し専門性の高い硝子体手術も積極的に実施しています。

形成外科では、乳がん手術後の乳房再建術が最も多くなっています。乳房再建術では、より美しい乳房再建に向けて、乳房再建の内容やタイミングを考えた上、どのように「乳がん手術」を行うのか、乳がん手術の段階から乳腺外科との密な連携をはかりながら、乳房再建を行っています。

身体への負担が少ない低侵襲な内視鏡を用いた内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術や、早期胃がんに対して早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術が多くなっています。内視鏡的胆道ステント留置術は、主に胆管炎や胆のうがんに対して行う手術となっています。また、肝臓がんに対して、Ｘ線や超音波像、CTなどの画像を見ながら体内に細い管（カテーテル）を入れて治療する、身体への負担が少ない血管塞栓術を実施しています。

乳がんに対する乳腺悪性腫瘍手術が大半を占めています。