3階病棟は、婦人科・乳腺外科・小児科:一般急性期混合病棟(52床)で、レディース病棟となっています。
病棟では、小児科、女性疾患患者とその人の人生に寄り添い支援する良質な医療の提供をビジョンとし、患者を全人的に捉え、小児科、女性のライフステージを意識した継続看護を看護師一人ひとりが提供できる組織を目指し看護しています。
小児、女性特有の疾患患者を四側面から捉え、それぞれのライフステージ幼年期~老年期の一生において節目となる生活環境の段階を意識し、疾患の進行状況、治療の経過と照らし合わせながら、多職種カンファレンスなどで話し合い、その時期に必要な支援や看護を実践し、他職種や地域に繋げ共創する看護に取り組んでいます。
4階南病棟は、内科・総合診療科・泌尿器科:一般急性期病棟(45床)の患者を中心に受け入れを行っています。
病棟では、経験豊富で専門性の高い看護師が多く、フットケア指導士や排尿ケア講習終了者、慢性呼吸器疾患看護認定看護師が在籍し、様々な疾患を持つ患者を多方面からとらえ、安心・安全な医療の提供のために講習会への参加や学習会を行い知識を深めています。また、近年高齢化も進み、入院される患者の年齢も高くなってきています。入院前はご自宅で過ごしていた患者も療養状況によっては、退院後ご自宅は難しい方も増えております。退院後も安心して過ごす環境を整えるため、医師・看護師・薬剤師、退院支援看護師・MSWなど様々な医療従事者がチームとして関わっています。
4階北病棟は、整形外科・消化器内科・眼科・形成外科・総合診療科・皮膚科:一般急性期混合病棟(42床)となっています。
整形外科・眼科・形成外科は手術を受ける患者が入院されます。整形外科は小児から高齢者とすべての年齢層が治療の対象となります。脊柱管や関節の変形、骨折による運動障害に対して、疼痛や神経症状、可動域制限などの自覚症状があり、それらの症状緩和だけでなく、手術と合わせて行うリハビリテーションによる機能回復を目的としています。患者の状態によって治癒課程の全体を描きながら生活機能回復に向けて看護を行っています。
消化器内科においては、内視鏡を用いた検査・治療、放射線などの画像を用いた治療、薬剤治療が行われます。形成外科も含めがん患者も入院されます。身体的な側面だけでなく、精神的、社会的側面から必要な看護が提供できるよう、がんサポートチームと情報共有を図っています。高齢患者、認知症の患者も多く、入院中のせん妄予防と認知機能低下予防のため認知症看護認定看護師、院内認定看護師とカンファレンスを行い、患者一人ひとりと向き合い適切な看護が提供できるよう取り組んでいます。
多職種カンファレンスの積極的な開催により、疾患や治療が患者の生活に与える影響を推測し、必要となる調整を行っています。また、地域包括ケア病棟と連携し、患者、ご家族の不安の軽減を図るとともに安心、安全に治療を受けていただけるよう努めています。
地域包括ケア病棟は急性期治療がひと段落し、自宅や施設などで退院後の生活に不安があった場合、主治医の判断のもと、医療、看護、リハビリテーションを提供し、在宅復帰に向けて準備をする病棟です。また、在宅や施設で療養している中で病状の進行や身体的機能の低下により、新たな医療管理や環境調整が必要となる場合、あるいはご家族をはじめとした介助者の事情により入院が必要な方も対象になります。
入院生活では病状が安定した患者の身体機能・認知機能・QOLの向上を図るために、リアリティーオリエンテーションや生活リハビリの一貫として院内ディケアに取り組み、患者のADLの維持や生活リズムの獲得を図っています。
主治医をはじめ、理学療法士や作業療法士、MSW等と協力し、患者やご家族の意向を確認しながら退院支援を行っています。
患者個々の疾患にあわせて在宅復帰を見据えた看護を行い、退院後もその人らしく住み慣れた地域で継続して過ごせることができるように、院内の多職種チームと連携し、患者の暮らしを支える質の高い看護を提供できるようにスタッフ全員で取り組んでいます。
緩和ケアとは、がんと診断された時から生じる患者の身体的な痛みや精神的なつらさを和らげるために「その人に寄り添い、その人がその人らしい生活が送れる」よう行われる治療やケアです。
緩和ケア病棟は、外来と一元化することで入院前より患者の病態把握と目標の共有を行っています。看護の視点での気づきによる環境調整と病状変化を予測した関わりを積極的に行うことで、ご家族との時間を大切に、心地よく安らぎ、充実した時間が過ごせることを目標としています。在宅療養中の患者とご家族が入院をご希望した場合は、速やかに入院いただいています。
消化器外科・消化器内科:一般急性期混合病棟(42床)
食道、十二指腸、小腸、大腸の消化管疾患や、肝・胆・膵系の疾患を持つ患者に対して、良性、悪性を問わず、手術を中心に、内視鏡、血管内手術や化学療法・放射線治療を入院目的として運営されています。急性期・周術期から慢性期までのあらゆる時期において看護ケアを提供しています。隣接しているHCUとの協力体制のもと質の高い効果的な治療・看護を提供しています。
消化器疾患は、生命維持に重要な消化・吸収・排泄に関する疾患のため、退院後の生活指導が重要です。一般的生活指導に加え摂食行動の変化や栄養・体重管理、ストーマ、ドレーン留置等ボディイメージの変化に合わせた生活指導や精神的ケアを、医師、認定看護師、栄養士、薬剤師、退院支援看護師、MSWなど多職種の連携のもとに医療を実践しています。同様に、寛解と憎悪(症状が悪くなること)を繰り返す膵炎、肝炎、肝硬変、炎症性大腸疾患を特徴とする消化器内科疾患に関しても、疾患を正しく理解できるよう教育・指導を行い、病気とともに生きていく意欲が持てるように看護ケアを提供しています。大きな不安を抱えながら、退院後の生活に必要なケアを身につけていこうとしている患者の気持ちに寄り添い、患者本位の看護を心がけています。
HCU(High Care Unit)は、4床の病床を有しており侵襲の大きい手術後の全身管理を有する急性期及び重症患者の看護を行っています。患者の全身観察や異常の早期発見、緊急時の処置がスムーズに行われるようにオープンスペースになっています。
HCU看護師は、急性期に求められる専門的な知識・技術の習得をはじめ、幅広い看護技術が求められます。そのため、勉強会や急変対応シミュレーションを定期的に行い、より高度な知識と技術の向上に努めています。日中は救急搬送患者の対応も行っており、手術室、一般病棟、外来、臨床工学技士との連携を図り、安全で質の高い医療サービスの提供を心がけています。また、リハビリ部門、薬剤師、栄養士、MSWなど多職種が共同し早期回復できるようチーム医療に努め、急性期治療後のサポートにも力を入れています。治療により状態が安定すれば一般病棟へ転棟となります。一般病棟へ転棟するまでの間、HCU看護師一同、思いやりを持って丁寧で親切な対応を心がけています。
外来部門では、一般診療は16の診療科と中央採血室、化学療法室、放射線治療室があり、治療や検査が外来で行われるようになっています。
看護専門外来では、認定看護師、専門看護師だけでなく、様々な療養指導士資格を有する看護師が地域の拠点病院として相談や指導を行っています。
外来看護師の役割は、患者さんがスムーズに受診できるように医師・患者双方をサポートすることですが、限られた診療時間の中で、在宅療養に関する指導や相談も行っています。
具体的には、入院から在宅療養へのスムーズな移行を目指し、入院中の患者の情報を把握し、切れ目のない看護の提供の実現のため、各部署における退院支援カンファレンスに外来看護師も参画しています。
このように多様化している外来看護機能に対応できるよう、また看護の質向上を念頭に置き日々看護業務に取り組んでいます。
「安心・安全な周術期看護の提供」のために「ムダ・ムリ・ムラを無くし働きやすい職場つくり」を目標に看護師だけではなく手術に関わるすべての職種と協働しながら日々の看護に取り組んでいます。
麻酔科外来と併設して手術室看護師が直接お話をお伺いする「術前サポート」を実施し、早期から手術に関連した不安や疑問に寄り添う機会を設けています。手術の前日や当日に入院することが多く、早期に関わることで、入院当日でも、より患者を理解した関りができるように努めています。
7つの診療科の手術を日替わり、もしくは術替わりで介助することで、それぞれの看護師が広い視野で役割を遂行し、手術室の稼働を効率的に行うようにしています。そのためには準備表や手順を整え、「どうすればできるか」を考えて常に業務の改善を行っています。
診療科医・麻酔科医・看護師・看護補助者・薬剤師・臨床工学技士・医療事務・医療材料物流管理システム・中央材料滅菌室がそれぞれの役割を発揮し、病棟や外来部門とも連携を図り、当院で手術を受ける患者に安心・安全な周術期医療の提供ができるよう一致団結して取り組んでいます!
看護局委員会・リンクナース会は看護局運営のための活動であり、活動目的を達成させるために活動目標定め、目標達成にむけた年間活動計画を立案しています。活動については、中間・最終評価を行い、年間活動の報告会を3月に開催し、次年度への課題を明確にしています。
委員会 | 委員会の目的 |
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師長会 | 市立貝塚病院看護局運営の最高決定機関で、運営方針、看護局目標、人事管理などの重要施策の審議・策定及び看護管理者としての資質の向上を図る |
主任会 | 看護局運営の第2機関で、主に実務に関する提案、問題抽出、リスク回避の方法などについて協議する。また看護局が企画する教育研修計画を師長と協議して立案し、スタッフの育成・看護ケアの充実を図る |
コスモスリソース |
看護の専門性を発揮し、院内看護の質向上と地域包括ケアシステムにおける地域全体に向けた看護介入による支援を図り、地域全体の質の向上に努める |
教育委員会 | 看護理念/教育理念に基づき、主体的かつ自律的に専門職業人としてより質の高い看護を提供できる看護実践能力を習得させるためにOJT教育の充実と向上を図る |
臨床指導者会 | 看護理念に基づき、臨床実習指導及び、看護職員への教育的支援・調整を行う。学生指導を通して、看護職員全体に対し指導的役割を果たす |
看護倫理委員会 | 高い倫理的感性を持ち、能動的に倫理的思考を基に話し合う風土の醸成を図り、看護の質を向上させる |
業務委員会 | 看護理念に基づき、安全・安楽で効果的な看護を実践するために必要な看護基準・手順の作成や管理を行い、看護業務の円滑化(効率化)・標準化によるケアの質向上を図る |
記録委員会 (クリニカルパス) |
看護実践の証明とともに看護の継続性と一貫性が担保できる記録となるために看護記録監査や看護記録記載基準の整備を通して教育活動を行う |
リンクナース会 | リンクナース会の目的 |
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クリティカルケア |
看護理念に基づき、クリティカルケアの質の向上を図る 災害時に看護師としての役割を理解し、行動ができる |
感染リンクナース会 | 安全で質の高い看護を提供するために、ICTと連携を図りながら感染対策活動を実践する |
セーフティナース会 | 患者にとって安全で安心な医療・看護実践を行うため、事故防止・安全管理に関する意識を高め医療安全風土の醸成を図り、問題解決能力の向上を目指す |
褥瘡リンクナース | 褥瘡発生予防と早期ケア介入に取り組めるように褥瘡ケアの知識・技術の向上と実践を行う |
認知症 |
認知症患者及びせん妄患者に対する知識の向上と、安全で安心な必要なケアが提供できる看護実践能力の向上を図る |
入退院支援 |
PFM(Paitient Flow Management)から生活・ケアサイクル全体を見据えた支援を行い、退院後のQOLの向上を目指した支援ができる能力を養う |
がんサポート |
各病棟・各外来で患者・家族が必要な緩和ケアが受けられるよう、患者・家族の苦痛を全人的(身体的・精神的・社会的・スピリチュアル)視点で捉え、看護ケアを実践するための能力を養う |
NSTリンクナース会 | 栄養障害のある患者を抽出し、全人的アセスメントにて他職種と協議し、適切な看護介入を行い栄養状態を改善する |